W杯で世界の頂点に立つために!!
なぜ、日本人選手はJパラダイムに陥ってしまうのか?[第3回]
語り手 高岡英夫 / 聞き手 松井浩
松井 前回のお話では、世界のトップ選手が「(高重心+高スピード)×軸×ゆるみ」(TOPパラダイム)という体の使い方でプレーしているのに対して、日本のサッカー選手は「(低重心+低スピード)×足腰×頑張る」(Jパラダイム)でプレーしているという指摘をして頂きました。
高岡 世界のトップ選手と日本の選手では、体の使い方が正反対であるという事実に驚いた人が多かったですね。でも、実際に日本の選手は強豪国と戦うと1対1で負けるじゃないですか。身体能力では勝っているはず、100m競争しても速いはず。そんな日本のFWが試合になると1対1で負けるのは、根本的な体の使い方が違うからですよ。
松井 競り合っても、世界のトップ選手は軸をしっかりさせて体全体をゆるませる。それに対して日本選手は倒れまいとして踏ん張る。その結果、日本選手はゴロンと転がり、世界のトップ選手は悠々と抜けていくんですね。
高岡 私は、日本のサッカー選手が「(低重心+低スピード)×足腰×頑張る」でプレーする原因について、相撲の影響と考えています。相撲で押しや投げ技に耐えようとすれば、重心を下げて踏ん張るでしょう。また、相手を押したり、技をかける時には腰を入れるように、相撲は足腰の強さが最重視されるスポーツですよね。日本のサッカー選手は、相撲取りと同じ体の使い方をしているわけです。
松井 ただ、今の若いサッカー選手は、力士と同じ体の使い方をしているといわれてもピンと来ないかもしれませんね。
高岡 相撲の体の使い方が、それだけ日本人の間に深く浸透しているという話です。相撲は、もともと明治時代に学校で習うようになって全国に広まりました。それ以来、1970年代までの約100年間、子供から大人まで競技としても遊びとしても相撲をよく取りました。その間に、多くの日本人が重心を下げて踏ん張ったり、足腰の強さを重視する体の使い方こそが大切だと思い込んだんですね。日本は1998年フランスW杯に初出場しましたが、当時のメンバーはほぼ全員が「Jパラダイム」でプレーしていました。
松井 2001年に『サッカー日本代表が世界を制する日』という本でそれを指摘すると大きな反響がありました。それ以後ですね、中田英寿や川口能活、長友佑都、香川真司たちのように世界のトップ選手に近い体の使い方ができる選手が育つようになったのは。W杯での成績も少しずつ上がってきました。
高岡 日本が世界の頂点をめざすなら、サッカー界全体で「サッカーゆるトレーニング」に取り組むことです。どんなレベル、どんな年齢の選手でも取り組めるように、いろいろなメソッドが用意されています。将来、世界のトップ選手や日本代表になりたいという選手はもちろん、今は太ももの前側が筋肉痛になるというJパラダイムの選手でも、世界のトップ選手たちと同じ体の使い方を目指してすぐに始めてほしいですね。
松井 では、次回は「サッカーゆるトレーニング」の中身についてお伺いしたいと思います。
TOPパラダイムを実現するゆるトレ③ハムスリ
効能:裏転子の意識を強力に高める。世界トップを狙うなら、裏転子がヤケドするほどこすり上げてほしい。
「ウッス」とあいさつしながら、額の前に左手を直角に強く屈曲してひさしの形をつくる。左脚をあげ、イラストの裏転子ラインの下端にひさしの形のままの左手をあてる。「スリ」と言いながら、脚を強く下ろして、左手で裏転子ラインの上端まで強くこする。この動作を裏転子が少し熱くなるまで(10回を目安に)スリスリを繰り返す。反対の足も同じように行う。
※手の形は崩さずにしっかりと裏転子に当てるのがコツ。
本を見て行えばさらに効果的!!
|
直接レッスンも受けられる!!
- 本の読者向け 無料 セミナー
- A.「サッカーゆるトレーニング入門」
- 運動総研コールセンターまで。
- 電話:03-3817-0390 (受付10~18時 日曜・木曜定休)
- 無料セミナー『サッカーゆるトレーニング入門』のご案内無料セミナー『サッカーゆるトレーニング入門』のご案内(pdf)をご確認のうえ、お申し込みください。
- B. プロ向けコース
- I. プライベートレッスン
- II. シークレットレッスン
- 運動総研教育事業部(佐澤・長谷川)まで。
- 電話:03-3817-7725 (受付10~18時 日曜・木曜定休)